‐Ｆｅａｒ‐

　「入っていいわよ。」

「お邪魔します…。」

　理恵菜の部屋にやってきた優太。
２ＬＤＫ。一人暮らしにしては広い。
もちろん狭かったら優太を住まわせようなんて思わなかっただろう。

「片付いてますね…キレイ。」

「片付けたのよっ。優太くんはその部屋。６畳だけど病室よりはいいでしょ？荷物は後で届くから。」

　部屋を見渡す優太。
　ここで何日間かわからないけど暮らすんだなぁ。
でも何だかやっぱり女の人の匂いがする…。

　深呼吸する優太。その後で少し恥ずかしくなる。

　女の人と暮らすのか…母親でも親戚でもない若い女の人。
事件捜査手伝いたいとは言ったけど、まさか一緒に住むとは思わなかったな。

「部屋の物は勝手に使っていいから。んー、とりあえずご飯にしよっか？」

「あ、はい…。」


　買ってきた弁当を食べる二人。

「ごめんね、作れる時は作るから。」

「あ、はい。」

　食べながら優太は、恥ずかしさと心地良さと緊張と違和感と楽しさと…色んな感情を噛み締めていた。