‐Fear‐
 普通の一軒家。知らない人から見ればとてもこの家で事件が起こったとは思わないだろう。
 玄関を開けて中に入る理恵菜と優太。

「変わってないなぁ…。」

「現状維持しているわね。よしよし。」

 リビングに入った時思わず目を閉じた優太だったが、深呼吸して自分を落ち着かせた。

 大丈夫…目をそむけてちゃ駄目だ。しっかり…しなくちゃ。

「大丈夫?優太君。やっぱり辛いかな…。」

「平気です。何か…手がかりを見つけましょう。」

「そうね。」

 部屋はもうキレイにしてあるし、散々警察が捜査した後。
理恵菜が期待しているのは優太に、だ。
何か見つけるには住んでいた者が一番、と考えた。

 だが、一時間程家の中を見てもたいした情報を得られなかった。

「ちょっと…パソコン見ていいですか?」

 警察に連れていかれてから一度も見ていない。メールか何か来てないか優太は気になっていた。

「それも警察が調べてるかもね。」

「別にいいですけど。ただパスワードかなり難しくしてるから見れたかな?」

 友達やら業者やらのメールの中に一つ異質なメールが。



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「何それ?化けちゃった?」

 優太は理恵菜の言葉にも応じず、じっと画面を見つめている。

「優太君?」

 バタッ!

 そのまま優太は倒れてしまった。

「優太君っ!!」
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