‐Fear‐
 泣き声が聞こえる…

誰だ?

香澄かな…

違う声もする

誰だ?

目が開かない

まぶたが重い

何かが僕の目を押さえている?

気持ちが悪いな…

早くここから出たいな…





 目が開いた。

「優太君!?よかった起きた…。」

「あ、理恵菜さん…。」

 そこは病院のベッド。
理恵菜が心配そうに優太を見つめている。

「あなた、突然倒れたのよ。お医者さんは過労か何かだろうって。やっぱり家に行ったショックもあったのかもね、ごめんね。」

「いえ…大丈夫です。すいません。」

 何か…夢を見た。
そして…あのパソコンの中に何かを見つけた気がしたんだけど…。

 窓の外の大きな木から鳴いていた蝉が飛び去っていった。
急にすごく静かになった気がした。
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