‐Fear‐
 公園‐

 中央の噴水から少し外れた木陰のベンチに志水が座っている。

 そこにやって来たのは優太だ。

「久しぶり。よく来てくれたね。」

「あ、はい。お久しぶり、です。」

「なかなか会えなかったけど…悪かったね。先生らしい事何もしてあげられなくて。」

「いえ。」

「今の暮らしはどう?元気でやってる?」

「はい。」

「…大変な夏休みになってしまったね。」


 しばし無言の二人。


 志水と優太は学校でも特に話した事はない。
優太にしてみれば担任の先生になど何も期待していない。
呼ばれてやって来たのはただの義理でしかなかった。

「クラスの皆も心配してるんじゃないかな。」

「…そうですね。」

(帰りたいな…。)

 優太がそう思っていた、その時。

「あ!?」

「香澄?」

 そこには偶然通りかかった香澄が立っていた。
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