‐Fear‐
 次の日、吉岡は大急ぎで警察署内の階段を駆け上がっていた。

 事務所の自分の机で干潟がうなだれている。

「干潟さん!!志水が自殺したって本当ですか!?」

「あぁ…。自宅のマンションから飛び降りだ。」

「そんな…。志水は独身ですよね?」

「あぁ。第一発見者は通行人だ。どうやら深夜らしい。目撃者は今の所いないが、部屋は今調べてるはずだ。」

「行かないんですか!?」

「俺は…、しばらく停職だ。」

「え!?何で!?」

「責任を取らされてな。」

「そんな…。何の責任ですか!?」

「犯人と疑われ…自殺か。本当に犯人だから自殺か。」

「上は前者と見ているんですね!?」

「あぁ。」

「くそっ!」

 吉岡は机を叩いた。
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