‐Fear‐
 香澄はしばらく親戚の家に預けられる事になった。
優太は無期限で警察に寝泊り…そんな異常事態にも黙って従った。

 日比野の所と往復する毎日が始まった。

 優太は無気力だった…。
何故か?

 確かな事は、もちろん僕は殺してなんかいない。
親が自殺?そんな事はないだろう。
誰かが殺したんだ…。

 あの親が死んだらもっと晴れやかな気持ちになるかもしれないと思っていた。
だが実際はぽっかり穴の開いた気分だ。
悩みの種が急に消えてしまったら…それはそれで虚しいもんだな。

 自分を薄情だと思ってる優太も、殺人現場を見たのだからショックもある。
事件の事が知られれば学校にも行きづらくなる。
進学も無理かな?ニュースとか流れるんだろうか…顔は出ないだろうけど…。
そんな事を考えている優太も凄惨な記憶は思い出さないようにしていた。
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