キミが好き
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4月8日 23:19


「ごめんなさい」


蘭と恭平は噴水のある公園にいる。


そして今、恭平の想いは散ったのだ。


恭平とは20歳のフリーターである。


「あたし、恭平のこと好きだけど」


蘭は困ったような表情を浮かべる。


「でも恭平、お兄ちゃんみたいなんだ。そういう好きなの」


恭平の瞳を見つめ、切なげに視線を逸らした。


「だから付き合えない。ごめんなさい」


そう言った蘭の目には涙があった。


恭平はゆっくりと蘭を抱きしめた。


優しく包みこむように。


蘭は嫌がらなかった。


困った表情は嘘なのだ。


初めから答えは決まっていた。


しかし恭平の想いに答えられない自分が悔しかったのだ。


「ごめんなざいぃ…」


蘭は恭平の胸で泣き続けた。


夜桜だけが2人を見ている。


あれから最初に訪れる春の日の夜。

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