菜綱の夜
「俺達のような存在は沢山いる。俺は癒しの猫湯太郎、そして夜は裁きの猫。夜に狙われた者は必ず死ぬ。」

コイツは本当にサイコなんじゃないかとたまに思う。

夜というのは猫の名前らしい

「本当にお前がやった訳じゃないんだな?」
「前にも言ったが俺は嘘をつかない」

少しばかり長い前髪を掻き分けるとユタロウはバイクに跨った。
「猫のくせにバイク何か乗るんだな?」
「これは一つだけ持ってきた物だ。」

こいつは私語がないので話が半分くらいしか分からない。
「成田当時の時間が終った場所に行く!」

多分事故現場の事を言っているんだろう。そこに妹が、郁子が待っている。
「分かった。俺もすぐに行く!」
「乗れ!連れて行ってやる。」
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