菜綱の夜
「でも、図書館がなくなるわけはないだろう」

俺は微かな記憶を辿り図書館のあるであろう位置に菜綱の手を引いて向かった。

そこには確かに図書館があった。

俺の知っている。

市立の大きな図書館だった。
「あった!」

いつのまにか俺の腕に引っ付いてる菜綱が喜んで叫んだ。
「うん!あった。でも肝心の猫はどこにもいないな」
「あはは、でもボクは楽しかったよ」

菜綱は俺の顔を覗き込んで笑った。
「まぁ図書館が見つかった俺もスッキリしたよ」

そのまま菜綱を公園まで送るとそこで別れた。

明日は何処を探そうかな。

今日はゆっくり眠れそうだった。

あと五日で全てが終わる。
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