甘夏の恋
私は夏が来るまで時間があるの取り敢えず病室から見える景色のデッサンをしはじめた

星野さんに言わせると
“日常の中”にデザインの発想が埋まっているらしい

と悠哉が言っていた

そこで皆で考案した訓練は

お互いに1日1枚デッサンを送りあって

お互いが何を伝えようとしているか読み取る

といった訓練内容だ

夏はコンクールが近く忙しいのに

ちゃんと毎日デッサンを送ってきてくれている

それは妥協という言葉はいっさい無くて完璧そのもので…

私は、夏の絵を見るたびに

絵が上手く書けなくなってきていた


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