甘夏の恋
部屋の中に暖かい光が差し込んでくる

私と夏は部屋に戻ってからは

夏のコンクールの作品をみてあれこれ意見を出しあっていた

私なんかがそんな事をして良いものかとも思ったのだが

夏が感性を磨くのに良いからといってくれたので

謹んでお受けすることにした

部屋の中にデザインを書いた紙が大量に積み重なっていく

「あっ!ここは敢えて影の位置を逆にして……」

――トントン――

2人で夢中になっていると突然ドアがノックされる

「あっ!ちょっと待って下さい!」

私と夏は取り敢えず下書きしたデザイン用紙を急いで片付けドアに向かう

誰だろ?

先生が来るにはまだ早いし……

――ガラガラ――

「こんにちは♪」
と言いながらドアの前に立っている人物が中に入ってくる

ドクン



心臓が音をたてる

先ほどまで暖かった部屋が一瞬で冷えきった空気でいっぱいになった気がした

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