甘夏の恋
「久しぶりだねぇ~♪相変わらず勉強頑張ってるのぉ?」

笑いながら一歩……また一歩と近づいてくる

「……れ……麗華さん」

声が震える

私は彼女の笑顔は苦手……

だって

私に向ける彼女の笑顔は

目が笑っていないから……

「……『あれ~?こないだの人?』

言葉が出せない私の上から声がする

夏だ……

声の主をみた瞬間先ほどの緊張がふゎっとなくなる

「あら……あの時の……」

麗華さんは今気付いたという風に彼女に笑顔を向ける

そう……

ちゃんとした笑顔を……だ

「美佳の友達だったんだ!私は飯嶋 夏って言います。よろしくね♪」

「私は西城 麗華です。麗華って呼んでね~」

「分かった!私の事は『なっちゃん』とでも呼んでね」

へ……?

なっちゃん?

私が不思議そうに見ていると夏は麗華さんにはばれないように小さくウィンクした
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