甘夏の恋
私達は屋上にでると近くにあるベンチに腰をかける

生暖かな風が私の頬をなでる

湿気を含んだようなこの特有な匂いは恐らく雨が降る前兆なのだろう

「麗華さん……」

私は出来るだけ落ち着いて言ったつもりだったけど

声は震えてしまう

麗華さんはそんな私をみてフッと鼻で笑うと話しだした

「あなたの病気聞いちゃった♪」

最初は彼女が何を言っているのか分からなかった

「え…あの……」

次の言葉が上手くでない

「彼は知らないみたいじゃない?

図々しいにもほどがあるゎ!彼が優しいからって!」

彼女はキッと私を睨んだあと嘲笑うように言った

「あ!貴方の友達なっちゃんさん?

彼女も酷いわね~

貴方の友達とか言いながら病気の事とか笑いながら話してたわよ?

貴方が居なくなったら彼らを独り占めできる~って笑いながら言ってたしね!!」

頭が真っ白になった

夏が……

笑ってた?

病気の事話した?

私を……




裏切った?


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