甘夏の恋
「そ……そんな事!夏がす『するわけない??

本当に?』

私の否定の言葉に被さるように彼女がいった

「……ッ」

余裕の笑み……

「なら……彼女に聞いてみたら?」

と言うとベンチからスッと立ち上がるとスタスタと先に屋上から出ていった

ドアがバタンとしまる音が屋上に響いた

それと同時に

ポツリポツリと私の頬に水滴がつたぅ

……

「……クゥ……ヒック……ヒック……」

誰も居ない屋上で

私は声を押し殺して泣いた

この雨は、わたしの涙を隠してくれるだろうから……

< 124 / 125 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop