甘夏の恋
「今日はありがとな。超助かったよ」

俺は自分の席の隣にある袋を見ながら紅茶を飲んだ

「別に良いよー。
こうしてココアもおごって貰ってるしね♪
でもどうしたの?急に参考書買いたいだなんて」
西城は少し首をかしげながら言った


「俺の弟と同じ病院に通っている子に勉強教えようと思ったんだけど参考書って何が良いか分かんなくてさ。
だってあれ当たり前の事しか書いてないじゃん?」

西城は笑いながら

「龍崎くんらしいね?」

「何だそれ」

「そういえば西城、明日試験科目なんだっけ?」

西城は驚いたように俺を見た
「化学と物理だよ。もしかして…全然勉強してないの?」

俺がうなずくと西城は焦ったように言った

「化学の山下先生龍崎君がいつも授業寝てるから特別に大学受験の問題作るって言ってたじゃん!しかも8割取れなかったら成績くれないって言ってたし……大丈夫なの?」

「大丈夫!俺高校のレベルは全部終わってるしさ、それに高校の勉強は中学の応用みたいな物だしね」

「龍崎くんって…日本にいなきゃ余裕で飛び級してるよね…。そこまでくると尊敬するし」

おれは軽く西城の嫌味&ほめ言葉を笑いでかわした

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