甘夏の恋
悠哉が私の手からノートを取ると一枚一枚丁寧に見ていく

「……」

そんな真剣に見るの!?

私はだんだん自分の絵が見られてるのが恥ずかしくなってきて思わずノートをとった

「へ!?ど…どうしたの!?」悠哉が驚いた様に私をみる

そりゃぁそっか…ただノート見てただけなのにとりあげられたんだからね……

「な…なんか下手な絵なのにそんなに真剣に見られたら恥ずかしいじゃん」

私はノートを抱えながら口を尖らしていった

悠哉は一瞬きょとんとした顔をしてから笑いながら言った

「ははは!どうしたのかと思ったらそんな事か」

「だ…だって悠哉何も言わないんだもん!」
絶対今私顔真っ赤なんだけど……恥ずかしー

まだ悠哉はくすくす笑いながら自分の目についた涙を拭いた
「あー笑いすぎて涙でてきたし!くすくす」

「そんなに笑わないでよ」私が怒ったように頬を膨らます

そんな様子を見て悠哉はごめんごめんと言ったあと
急に真剣な顔をして言った

「真剣に見ていたのは美佳なデザインには人を引き付ける力があると思ったからなんだ。」

「はにゅ!?」
思いもよらない事を言われて思わず意味の分からない返答をしてしまった

「実は―
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