甘夏の恋
――30分後――

「ここか?」

俺は着いた先を見て目を疑う

そこはどう見ても華道の家元とはかけ離れていた

「アトリエなんだってさ。親が誕生日にくれたらしいぜ。」

とか言いながらチャイムも鳴らさずさっさと入っていく

こいつに礼儀ってもんがないのか…

と思いながらも

取り残されても困るので取り敢えず後に続く

「どぉも~♪悠哉と絵見せてもらいに来たよん♪」

「は~い!今行きまぁす」

パタパタという音をたてながら

小走りで飯嶋がきた

「おはようございます♪お待ちしておりましたよ?」

とスリッパを俺たちの前にさしだし出し

品のある柔らかな笑顔をこちらに向けながら

「どうぞこちらです」と言い俺たちを中に促す

華道の家元なだけあり、一つ一つの行動に品があるな
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