甘夏の恋
「たいした物じゃなくて申し訳ないんですけど…」

と心配そうな顔をしながら

扉の横にある指紋認証機に手をかざす

―カシャン―

扉が鍵が開いたのかと思ったら何やらフローリングの床をいじり始めた

………?

どうしたのかと思ってみていると

“カチッ”っという音とともに床の木が動き出し

鍵穴がでてくる

そこへ鍵を差し込むと扉が自動で開いた

「ここまでしなくて良いって言ったんですけど、親がうるさくて。どうぞ入ってください」と恥ずかしそうにしながら部屋に入るように促した

さすが絵が保管してあるだけあって工夫されてるな

俺の部屋のセキュリティも工夫しなきゃななんて思いながら部屋に入る

部屋の壁にはところ狭しと絵が張られていて

晴れなくなったものは下にも置かれていた

すごい量だな…と思いながら部屋をぐるっと見渡す

「…で壁に置いてあるのが気に入ってるのってわけ??」龍也がニコニコ笑いながら俺が気になったことを聞く

壁にかかってる絵は床においてあるのと比べると少し絵の工夫が足りない気がしたし

たまに良く分からない絵もあった

「あっ!実はこれは…
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