甘夏の恋
あれから30分くらい車で走ると

前を走っていた車にあわせて静かに止まる

「ここ?」


「そう、ここだよ。」
龍崎君は一つ前の車の横で横たえている私の彼を涼しい顔でまたいでいく

でもここって………

私は龍崎君が入っていった建物の方を見つめた

あっ!!忘れてた!!

「だ…だいじょうぶ?」と言いながら私は先ほどから倒れている彼の顔を覗き込む

「なつぅ~ひどいぞぉ~」涙を浮かべながら訴えかけてくる彼にごめんごめんと誤っといた

いや…だってあんなことになるなんて思わないじゃん

先ほどのことを思い出しぞっとした

あれは…凄かったな

「おい…」私が先ほどのことを考えながらしみじみとしていると

龍崎君の低い声がした

恐る恐る振り向くと

「2人して何してんだ?早くいくぞ」となんだか少しイライラしたような…イヤどちらかというと少しそわそわしたような口調で言った

「はい!!」と私の彼…龍也が青ざめたような顔をしながら凄い勢いで立ち上がった

なっ…なさけない
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