甘夏の恋
―コンコン―

悠哉君が軽くノックすると

中からとても澄んだ声が返ってくる

「はい。どうぞ」

すっとドアが開いた

………じ…自動ドア!?

な訳はもちろんなく

中の人が開けてくれていたみたいだった

「…どなた?」声がする方向をみると1人の女の子が目に入る

一瞬時が止まったような感じになった

とても長いまつげ

透けるような白いはだ

綺麗な髪を左側に綺麗にまとめていてとても彼女の顔立ちに合っていた

そして何より彼女の黒い瞳に見つめられ目が放せなかった

――お人形さんみたい――

彼女にはそんな言葉があまりにもぴったりで

他にどう表現すればいいかわかんなかった

そして彼女の醸し出す

オーラのようなものが普通の子にはないものだった

女の子なら誰でも一度は憧れてしまうような…

彼女は…そんな女の子だった

でもあの時の私は知らなかったんだ…その子があんなに苦しんでいたなんて…
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