神様ごめんなさい
「龍二、一緒にお風呂入ろんっ」
「俺、今日いいや」
「もぉ、つれないな~、てか~いつも
 裸でいるのに何で今日はならないん?」
「・・・・・」
「お風呂だって、いつも一緒に入るのに
 何で今日は一緒にはいらんの?」
「・・・・・・」
「ねぇ、服 脱いでみて」
「・・・・・」
「早く!!」
龍二が脱ぐ姿を見て幸は愕然とした。
龍二の体にはキスマークがたくさん
付いていた。
「こんなことって・・・こんなことって・・・
 ど~して?何か龍二に悪いことした?
 こんなこと・・・・やぁぁぁぁぁぁ」
幸は狂ったように泣き叫んだ。龍二に初めて
見せる姿だった。龍二は幸を落ち着かせ
ようと近寄ってきた。
「近寄らないで!!」
「幸、ごめん、ごめん、酔ったいきおいで・・
 朝、起きたらバイト先の女が隣にいて・・」
「やめて!!聞きたくない!!」
「でも俺は幸が好きなんだ!!」
「近寄らないで、近寄らないで・・・」
「幸、ごめん、ごめん」
龍二は、ひざまついて謝った。幸はホテルを
飛び出し走った。
龍二が・・・
  龍二が・・・
    裏切った・・・
龍二は追いかけてきて幸の手首をつかんだ。
幸は捕まれた手首を払い龍二の頬をビンタ
し、一度も後ろを振り返らず走った。

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