神様ごめんなさい
家に戻った幸は龍二に強く捕まれた手首の
感触を消そうと何度も洗った。
幸の携帯の音は、やむことなく一晩中鳴り
続いた・・幸は部屋でボ~と一点を
見つめていた。
気が付くと時計の針は朝方の四時を
まわっていた。
このままだと気がおかしくなりそう
だったから外へ出た。
「・・・龍二・・・」
龍二が家の前に立っていた。
龍二の足元には数えきれないほどの
タバコの吸殻が落ちていた。
「もお二度と幸を悲しませること、
しねぇから許してほしい」
「ねぇ龍二、龍二のモノが他の女の中に
入ったんだよ、幸・・・耐えられないよ・・
 龍二・・・別れよう・・・」
「えっ」
「龍二・・・うちら別れよ・・・」
「俺、幸のこと好きなんだよ、離れたくねぇよ」
「幸は・・・幸は・・・龍二から離れたい・・」
龍二の涙を初めて見た。幸は部屋に駆け込んだ。
龍二・・・本当はね、本当はね龍二から
離れたくない。だけど、どんな理由にしろ
浮気だけは許せないんよ・・・
幸は、もう涙も出なかった。。。
そして幸は心の中の赤ちゃんに話かけた・・・
「パパとママうまくいかなかった・・・
 ママが我慢すればよかったのかもしれ
ないんだけどママ我慢できなかった・・・
 ごめんね・・・本当にごめんね・・・」



そして幸は・・・・高校を・・・
          龍二を・・・
            卒業した。



                                 つづく
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