神様ごめんなさい
龍二が後ろを振り返って立ち上がり
仲間の所へ歩いて行った。しばらくして
龍二と仲間が幸の所へ来て龍二が幸の事を
みんなに紹介した。幸はオドオドしていたが
龍二がそばに居てくれたから何となくホッと
していた。仲間の一人が話かけてきた。
「サッチャンって可愛いね。龍二と
　付き合ってんの？」
「えっ！ちゃんと会うのって今日が
　初めてです」
「な～んだ、じゃぁ俺にもチャンスが
　あるんだっ」
そんな会話を聞いた龍二は苦笑いしながら
「あまり幸をからかって困らせんなよ」
「俺、本気だったんだけどな～」
「なら幸の代わりに俺が返事してやるよ。
　残念ながらチャンスないですぅ」
龍二は笑った。そして幸も笑った。
「そろそろ帰るね」
「なら送るよ」
「えっ、仲間も居るんだから送らないでいいよ
　大丈夫だから」
幸は仲間に挨拶をしかけた時、龍二が
「幸送ってくる」と一言いい私の手を引き
ゲーセンを出た。
「みんないるのにごめんね。」
「誘ったのは俺なんだよ。送るの当たり前。」
「うん、ありがとう」
「幸って彼氏いんの？」
「いたら、ここには来てないと思うよ」
「俺の女になんねぇ？」
幸はビックリして立ち止まり龍二の顔を
見つめた。
「今日、会ったばかりなのに・・・もしかして
　龍二って軽い男なん？」
思わず言ってしまった。

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表紙・目次

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