城★My Home



あたしは矢澤陽に支えられてる状態で凜子の話を聞いた


「あたしと、玲、陽、瀬凪はずっと昔からの知り合いで瀬凪はあたし達のお兄ちゃん的な存在だったんだ‥」



ずっと昔から‥?

何であたしはそのことに気づかなかったんだろ?

それに瀬凪がお兄ちゃん的な存在?

あたしは、そんなこと知らない

何で知らないんだろ‥

何で矢澤陽があんなにも約束に執着していた意味もわからない

凜子が何で瀬凪を知っているのかわからない

他にもたくさん

あたしは


知らないことばかり‥

あたしは‥


「何か忘れてるの?」

「‥‥‥‥‥‥」

凜子からの返事はなくただ俯いていた


「凜子‥?」

もう一度呼びかけると凜子は顔を上げて目に涙をいっぱい溜めて


静かに頷いた




.
< 85 / 105 >

この作品をシェア

pagetop