【奏】雪に願う事

泰生先輩は

〝またおまえかよ"

とでも言いたげな視線を

チラッと向けただけで

そのまま歩いて行ってしまった。




「キャーっ!!

こっち向いてくれたよ~」



「あんたも毎朝、懲りないねぇ」



「いいんだもーん

こっち向いてくれただけで
嬉しいもん」




キャーキャー喜ぶ私に

澪はますます呆れ顔。





これも毎朝の光景。





「あんなに冷たいのに

心暖も懲りないねぇ」



そんな事ないよ?





確かに泰生先輩は

普段ノリは良くないけど

本当は優しい人なんだよ…。


< 3 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop