りんごゆき
私は、なくなるのはこの秘密基地だけだと思ってた。
だけど…、そんな狭い敷地にマンションなんか建つ訳ないんだよね。
それに気付いたのがマンションが出来上がった後なんて、遅すぎだよ。
おばさんの引っ越しぐらい手伝いたかったな。
「ホント、ここにはお世話になったよ。」
柊くんが明るく言うから、余計に切なくなってしまった。
なんでこんなに素敵な場所がなくならなきゃいけないんだろう。
悲しむ人がたくさんいるのに。
世の中って残酷だ。