りんごゆき
私は驚いて手に取ったカードを床に落としてしまった。
ガタンッ
勢い良くイスから立ち上がってラジオの前にしゃがんだ。
立ち上がった拍子に机の上のものが落ちたけど、そんなの気にしてる場合じゃない。
そしてラジオの音量を上げた。
この声はよく知っていた。
この唄を間違えるはずがない。
雪みたいに儚く綺麗な唄。
『ありがとうございました~。』
ラジオの中で司会者が言った。
『今のは明日発売のデビューアルバムの中の曲だね~?』
『そうですね。』