りんごゆき

久しぶりに星が見たくなった。

ここ数年空を見上げたことなんてなかった気がする。






私は寒いの承知でベランダに出た。



周りの風景は大分変わってしまったけど、雪の中見上げた星空だけはあの頃のままだ。



時計の短い針はとっくに12の位置から移動していた。



「素敵…。
ホワイトクリスマスだ。」



呟いた私の息は雪と同じで真っ白だ。

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