りんごゆき
5.星空ライブ~特別チケット~
柊くんと過ごした冬はとっても暖かかった。
気温がマイナスだって、2人でいれば寒さなんて感じなかった。
あんなに冬は大嫌いだったのに…。
1人じゃないってすごいことなんだ。
「いつかCDを出したら聞いてくれる?」
柊くんは私によくそう聞いた。
「当たり前じゃん。
一番に聞かせてくれなきゃ嫌だよ。」
決まって私がそう答えると、
「じゃあ、約束。」
いつも柊くんは本当に嬉しそうに笑っていた。