りんごゆき

ここには、いっぱい思い出がつまってる。



「ここでたくさんの時間を過ごしたもんなぁ、俺ら。」



言葉につまった私の代弁するかのように、柊くんが優しくそう言った。





「俺と隼人は小学校からの幼なじみなんだけどさ、よくこの公園で遊んでたよ。」



そう言って、柊くんが語り始めた。



「その頃ってみんな外で遊んでたじゃん。
だからこの公園も小学生でいっぱいだったんだよ。
何もないのに何して遊んでたんだろうな。」



思い出を話す柊くんは楽しそうだった。

だから私は黙って話を聞いていた。

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