りんごゆき
「その気持ち分かるよ。」
子供の頃のままでいたいっていうのは、子供の我が儘なんかじゃない。
大人になっちゃった証拠なんだ。
「『寂しくなったわねぇ。』
っておばちゃんも言ってた。
そうこうしてる間に、俺らもどんどん歳取っていって。
集まる機会はどんどん減っていった。
はっきり言って、俺らのバンドは自然消滅状態だった。
でも、俺はやめたくなかったから、駅前で唄ってたんだ。
神様来いっ!
どうかバンド復活させてくれ!
って願い込めてたら…、」
柊くんは1度言葉を切った。