りんごゆき

「その気持ち分かるよ。」



子供の頃のままでいたいっていうのは、子供の我が儘なんかじゃない。

大人になっちゃった証拠なんだ。



「『寂しくなったわねぇ。』

っておばちゃんも言ってた。

そうこうしてる間に、俺らもどんどん歳取っていって。
集まる機会はどんどん減っていった。

はっきり言って、俺らのバンドは自然消滅状態だった。

でも、俺はやめたくなかったから、駅前で唄ってたんだ。

神様来いっ!
どうかバンド復活させてくれ!

って願い込めてたら…、」



柊くんは1度言葉を切った。

< 96 / 204 >

この作品をシェア

pagetop