南月さんの迷探偵ファイル
―次の日。日子は庭の前を通るのが怖かった。日子が通るたびにあの音が鳴ってくる。日子に何かを訴えるかのように。だが、不思議なことに、日子が客と通るときは何も起こらないのだ。しかし、怖いものは怖い。夫や母、従業員に言ってみた。
言ってみたものの、日子の言う事はあまり信じてもらえなかった。


その音は何日も続き、日子はノイローゼになりかけていた。


さすがに心配になった母は、日子に事情を詳しく聞いてみた。事情を聞いた母は、日子が音に出逢った時間に庭に出てみた。
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