南月さんの迷探偵ファイル
「失礼します。」


スッと障子を開けて入ってくると、餅達を見るなり、

「ホントだ…。」

と呟いた。


歳はわりと若そうで、髪が短く、少しパーマが、かかっている。


「何がホントなんですか?」


楼が不思議そうに聞いた。すると、仲居さんの顔が赤くなった。


「えっ!?いや、すいません!えっと、実は…。今、仲居さん達の間で、『藤の間』のお客様が、すごくかっこいいと、ウワサになっておりまして…。」


そう言うと、皿を片付けだした。


「それで、つい、ホントだ…と言ってしまいました。」


更に赤くなる仲居さん。

確かに、餅達が泊まっている部屋は、『藤の間』だ。
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