南月さんの迷探偵ファイル
「えっ?!そうなんですか…。」


とそれっきり黙ってしまう楼。
顔がすこーし赤いのは、気のせいだろうか…。


「なんや、照れてんのか?楼ー?ピュアやなぁ。」


餅がニヤニヤしながら言うと、涼也までが、


「かわいーなー。楼ちゃん。」


とからかった。
そんな会話を聞いて、仲居さんが少し笑った。


「明るいですね。どこからいらっしゃったんですか?関西の方ですよね?」


「京都です。」


助け舟を出されたように、楼が答えた。

すると、仲居さんが、「まぁ。」と驚いて、


「結構遠いところからいらっしゃったんですね。今日は疲れたでしょうから、ゆっくりして下さい。」


と笑顔で言った。
そして、皿を廊下に出して、「失礼します。」と言って、部屋を出ていった。
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