南月さんの迷探偵ファイル
仲居さんが出ていった瞬間に、楼がハーとため息をついた。


「もう二人共、からかうん、やめてくださいよ。」


「だって、楼おもろいもーん。」


餅がケラケラ笑う。そんな餅につられて、楼と涼也も、笑けてきた。


意味もなく、笑っていて、一分ぐらい経った時、やっと三人の笑いはおさまった。

そして、思い出したように、楼が、


「そういえば、日子さん遅いですね。」


とポツリと言った。


「あぁ、そういや、そうやなぁ。まだ、忙しいんちゃうか。多分。」


涼也が、壁にもたれながら答えた。


餅が、ふと時計を見ると、九時だった。


「もうすぐ来るやろ。」


と餅は言うと、立ち上がり、縁側の方へ行った。
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