南月さんの迷探偵ファイル
「涼也さんは、なんであやしいと思うんです?」


やたら、こだわる涼也を不思議に思って楼が聞くと、涼也は静かに答えた。


「なんとなくやねん。ホンマになんとなく。カン?みたいなもんかな。」



二人の間に静かな時間が流れる。


そんな中、餅が普通にカランカランと入ってきた。


「なんやなんや、この暗い空気は。」


と楼の隣に座った。のんきな奴だ…。

だが、餅のおかげで暗い空気が飛んでっていったようだ。


「もっちー、なんかええもんあった?」


と涼也が聞いた。


「それが、聞いて!なんもないねん。東京や思って東京タワー見よう思ったら、ないねや!せっかく見れる思ったのに。」

…そんな簡単に見えないであろう。
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