南月さんの迷探偵ファイル
すると、餅が


「ところで、おばちゃん。たぬきうどんって頼んだのに、天かすが入ってるやん。たぬきうどんっちゅうたら、きざみあげのあんかけちゃうのー?」

と不思議そうに聞いた。

その質問に、おばちゃんじゃなくて、楼が答えた。


「餅さん、関西のたぬきうどんと、関東のたぬきうどんは、違うんですよ?ここでのたぬきうどんは、これでいいんですよ!」


楼はちょっと得意げに言った。

今日の楼は、いつも以上に口が達者やなぁ、と餅は、呆気にとられた。


「そ、そうやったな。すっかり忘れてたわ。そやそや、東京のたぬきうどんはこれでよかったんやったな。ハハハ!おばちゃん、変な事言うて、ごめんな!」

と言って、ふうふうして勢いよく食べた。
が、「あちっ!」と言ってお茶をがぶ飲みして、目を白黒させた。
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