南月さんの迷探偵ファイル
うどんを食べ終わった三人は、汗だくだった。
なにしろ、お腹がかなり減っていたので、熱いのも気にしないで食べた。
三人のお茶が空になる頃、おばちゃんがお茶を入れてくれた。
「あんた達、食べるのはやいねぇ。よほど、お腹が減ってたんだね。」
おばちゃんが明るく笑いながら言った。
だが、いきなり真剣な顔をして言ってきた。
「ところで、あんた達。京都から来たんだろ?しかも、泊まる所が懸水館なんでしょ?…あそこの旅館、ここらじゃちょっと有名だよ。」
おばちゃんが少し声を潜めながら言った。
有名だ、と聞いた瞬間、三人は顔を見合わせた。
「なんでですか?」
楼が代表して答えた。さっきのコメディな雰囲気は、どこかに飛んで、三人共、真剣な顔をしている。