南月さんの迷探偵ファイル
「大きな声では言えないけど…。あそこの若女将、日子さんの旦那さんの悠夜さんっていう方なんだけどね。その人が日子さん以外の女性としゃべってたのよ。でね、その場面を見た人が、私の友達にも何人かいてね。それで、その人達にあの後どうなったのか聞いてみたの。そしたら、その二人が手をつなぎながら、歩いていったんですって!」


餅と楼は目がテンになった。おばちゃんがあまりにも真剣な顔をして言うので、余程の事かと思ったのだが、ワイドショーの様な話だったので、びっくりした。

だが、涼也はその話を真剣に聞いていた。情報屋なので、どんな情報も聞き逃したくない様だ。

ここは涼也にまかせて、餅と楼は旅館に一足先に帰ることにした。

「おばちゃん、俺ら先に会計するわ。涼也の分も払っとくさかいに、おばちゃん、いろんな情報言ったって!」

と言って、餅はニッと笑った。

「涼也、先行っとくで?」


「オッケイ。バッチリや。楽しみにしといてや!」

と言って、涼也はグッと腕を上げた。


「んじゃ、まかせた!また後で。」


そして、二人はレジの方を歩いていき、店を後にした。
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