南月さんの迷探偵ファイル

「すいません、あの、懸水館って旅館どう行くんですか?」


「懸水館?あぁ、あそこのことかい。それなら……。」

とおじさんは、餅に丁寧に教えてくれた。


「ありがとうございました!」


そう言って餅は、おじさんに教えてもらった道を歩きだした。




『そういえば楼、大丈夫やろか。追うのに夢中ですっかり忘れてたわ。まぁ、あいつの事やし、多分大丈夫やとは思うけど…。そんな事より、あの男の名前。雪塚…。下の名前は…えっと、勝利って書いてあったはず。〔しょうり〕って読むんやろか??分からんわ。でも、なんで、雪塚なんやろ。日子さんの兄弟?結構若かった。日子さんが二十四歳やしなぁ。十九歳位に見えたけどなぁ、あの男…。………あかんわ。情報ないし、推理のしようがあらへん。涼也の情報を待つか…。』


餅がいろんな事を考えながら歩いていると、


ブブー!ブブー!

ポケットで携帯が鳴りだした。
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