南月さんの迷探偵ファイル
八百屋に行ってあれこれ買った後、パン屋にも行って買い物をしていた。後、子供服の店に入って、何やら、子供の物を買っていた。
『子供服?って事は、日子さんに、子供…?』
と考えていると、結構な荷物を持って、日子が出てきた。
重そうに歩いている日子を見て、楼は思わず、
「少し持ちましょうか?」
と声を掛けてしまった。
日子は、まさか楼に会うとは思ってなかったのだろう。本気で驚いて、
「あら…。どうしたの?どうしてここに?」
と何かわけのわからない事を言っている。
楼は、
「僕、ちょっと一人で買い物に出て、偶然日子さんが見えたから…。見たら、たくさんの荷物やったんで、思わず声を掛けてしまったんです。」
と雑誌や、お菓子の入った袋を持ち上げて見せた。
「あぁ!そうだったんですか。本当にびっくりしてしまって。まさか楼君がこんな場所にいるとは、思わなかったから。じゃあ、この買い物袋を持ってもらってもいいですか?助かります。本当は、一人で持って帰るのに買い過ぎだなって思ってたんです。」
日子は言ってニッコリした。
楼は、「この袋ですね。いいですよ。」と笑顔で言って、日子と一緒に歩き出した。