南月さんの迷探偵ファイル
「えっ!いいですよ。お礼なんて!…ところで、どうして僕には、話しやすいんですか?僕、あんまり話しやすいって言われた事ないんで、正直、驚いてるんですが…。」

と切実な悩みを打ち明け、リンゴをどうも、ともらいながら聞いた。

「うん…。楼くんっていくつ?十八か十九ぐらいなのかしら?あまり人には言ってないんだけど、本当は私には、義弟がいるの。年は十九歳。話がややこしいから、ここじゃ言えないんですけど、こっちに皆さんがいる間に必ずお話します。その弟と楼くんが同じぐらいの年齢かなって思って…。そしたら、一緒に歩くとこんな感じだろうなって思うと、話やすくって。勝手な思いで色々話して、ごめんなさい。」

日子は寂しげに笑って言った。


「そうなんですか。弟さんがいるんですね。それで分かりました。話しやすいって言われた事が。弟さんが今回の事件に関係あるか分かりませんが、言える時に、話して下さい。」

楼はやさしく笑って言った。
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