南月さんの迷探偵ファイル


「ま、まぁ、それはおいといて。銀二郎さんと純子さんが再婚したんて、何年前?」


「えっとねぇ、十年位前かしら。もうずいぶん前になるわね。私も年をとるはずだわ。」


おばさんが物思いにふける。


「でも、おばちゃん。何で、再婚に反対してた息子さんが、結婚すんの許して、六年経ってから出てったんやろ?」


「ん?どういう事?」


物思いにふけっていたおばさんが、我にかえり、聞き返す。


「今十九歳の息子さんが、十六歳の時に出てったんやろ?銀二郎さん達が再婚したんが十年前。息子さんが、六年も我慢して、いきなり家出した。なんか、ふにおちひんか?」


「ん〜。そう?思春期だからじゃないの?家出するために、ずっとお金貯めてたとか。」


おばさんがキョトンとした顔で言う。
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