南月さんの迷探偵ファイル
少し疑問に思いつつも、日子は裏口から中へ入っていった。


―その夜。11時頃、日子はふと廊下から庭を見た。
すると、『カラカラカラ』と聞こえた。昼間に微かに聞こえた音だ。庭は真っ暗でよく見えない。しかし、客も歩いてない。

―誰もいない―

『カラカラカラ』
また聞こえた。日子は怖いと思いつつも庭に出てみた。周りには何もない。
中に戻ろうとした時―

『カラカラカラ』

また聞こえてきた。しかも、今度は何回も繰り返して…

『カラカラカラカラカラカラ…』
まるで何かを訴えるかのように。

日子は怖くなり、慌てて廊下に戻ると、ピシャンと庭への障子をしめた。そして、慌ててその場から走っていった。
< 9 / 116 >

この作品をシェア

pagetop