南月さんの迷探偵ファイル
「お食事の用意が出来ましたが、運んでもよろしいでしょうか?」


と仲居さんは、にこやかに言ってきた。


餅は飛び起きて、


「はい。はい。どうぞ、運んでください。運んでください。俺腹減って死にそうやってん。」


ついつい自分の本音を口にして、子供の様にテーブルの前に正座した。


それを見ていた楼は、はーーっとため息をついて、何も言わなかった。

仲居さんは、フフッと笑いながら、


「では、すぐに用意しますね。…ところで、お客様。女将さんのお知り合いなんですってね。何でも、探偵さんって聞きましたが…。もしかして、ここの幽霊騒ぎを調べに来たんですか?」


とテーブルの上を片付けながら、仲居さんは、小声で言った。
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