季節の足跡
っていうかさ、君、二年も女王やってんのに。
周りの信頼がなきゃ、女王なんて出来ないのに。
なーんで、こう自分に自信がないかな。
「…オレ、面倒くさがりだし。嫌になったらサッサといなくなってるよ」
困ったな。
女の子に泣かれるの、苦手なんだよね。
「どんなにウェルスがいい国になっても、オレは君の国のが好き」
頭を掻きながらそう言うと、女王サマは小さく笑った。
「…やだ、アズロ。あたしのこと持ち上げすぎだよ」
いや、だから本音なんだけど。
…まぁいっか。
泣き止んだみたいだし。
「ま、そういうコトだから。いらない心配しなくていーよ」
座っていたソファーから腰を上げ、執務机に近づく。
女王サマの頭を軽くなでながら、机にさっきの雑誌を置いた。