季節の足跡
「そこの君!それを書庫に運んどいてくれ!」
「…はぁい」
あたしは指示通り、数冊の本を抱え、書庫へ向かった。
気分はもう、どん底。
「はぁ―――…」
大きくため息をついて、書庫の扉を開ける。
開けた瞬間、あたしは手に持っていた本をバサバサと落とした。
…え、幻覚?
その音に気づき、書庫の先客がこっちを向いた。
「…あ…君は…」
「きききっ、キラ長官!?」
幻覚じゃない!!
あたしはそこで、本を落としたままなことに気づき、慌てて拾う。
拾い終わり、あたしはもう一度キラ長官を見た。
「…お、お久し、ぶり、です」
「…そんなに緊張しなくても」
クスクスと笑われ、あたしは顔が赤くなる。
「どう?書籍部の仕事は」
あたしはしばらく考えた後、正直に答えることにした。
「…疲れるし、大変です…」