季節の足跡
「じゃ、俺行くわ」
その言葉に我に返った私は、再度頭を下げる。
「本当に、すみませんでした!」
「…三度目はやめろよ?」
苦笑して、私に背を向けたウィン様を、私はぼーっと見つめた。
…私なんて、きっとただのメイドにしか思われてない。
近づきたい。
ウィン様の…心に。
†††
あれから一週間。
この広い城内で、ウィン様に出くわすこともなく。
「はぁ…」
私はため息をつきながら、庭の掃除をしていた。
色とりどりの花が咲く花壇を、憂鬱な気持ちで眺める。
―――すると。
「ミカ!」
名前を呼ばれて、振り返ったその先で、手を振っていたのは、
「…ルチル様」
この国の女王、ルチル様。