季節の足跡

でも私は、そんなことお構いなしに、



「私、ウィン様が好きです!」



…勢い余って、告白してしまった。


「………」


訪れる沈黙。


自分がしたことの大胆さに、ようやく気づき始めた頃。


「…………ぶっ」


―――え?


「あははははっ!」


突然お腹を抱えて笑い出したウィン様。


ルチル様もなぜか、必死に笑いを堪えている。


え?え?

私、そんなに面白いこと言った?


「…あんた、この花束と同じくらい真っ赤だ」


ウィン様にそう言われ、恥ずかしさが頂点に達した私は、俯いた。


そのとき。



「―――名前は?」



初めて名前を聞かれ、私はパッと顔を上げた。


「ミ、ミカです!」


慌ててそう答えると、返ってきた答えは。



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