季節の足跡
相手は、もちろん。
「あ、オハヨー。女王サマ」
「相変わらずのマヌケ面だな」
………この二人ではありません。
「アズロ…ウィン…空気読みなさいよ」
あたしの怒りオーラを感じとったのか、若干の距離をあけて立ち止まった二人。
「空気?読みまくってんだろ」
「そうそう。雰囲気和まそうとしてるってワケ」
しれっと言い放つのは、あたしの補佐ウィン。
へらへらと笑って答えるのは、あたしの護衛アズロ。
二人とも、時に頼もしく、時にムカつくんです。
まぁ、あたしにとっては大切なひとたちなんだけど。
「…で?何か用?」
腕を組み、眉根を寄せてそう訊ねるあたしに、兄様が苦笑した。
「ルチル、それは冷たいだろ」
「いいのっ!この二人には、いっっっつも振り回されるんだから!」